鍛冶職人の地主 力(じぬし つとむ)さん(篠山市糯ヶ坪)が、このたび兵庫県芸術文化協会「ふるさと文化賞」を受賞され、市役所を訪問していただきました。
地主さんは、大学を出て、農機具会社でお勤めをされていましたが、お父様に弟子入りし、後を継ぎ、約30年間鍛冶職人をされています。
今回の受賞功績の中で、“人の体格や体力に合わせた鍬づくりや修理を工夫して行う農具のホームドクター”とあります。そのとおり、使われる方の身長や姿勢に合わせて、鍬の角度や柄の長さ、重さを調整されます。1度ごと角度を調整されると言うことで、まさに職人技です。
昔は農業も手作業が中心で、修理の需要も多かったようですが、近年は、農家の減少や機械化が進み、需要も少なくなってきているようです。
地主さんの作る鍬の特徴は、刃先で草を刈れるほど鋭利で、さらにとても長持ちします。「あんたが作る鍬が一番使いやすいわ!と言われる時が、一番嬉しい。」「受賞したことにより、これからも賞に見あうだけの仕事をしなければならない。これからがたいへんです。」とお話をされました。
また、鍬以外にも、黒枝豆をひもで束にする時に便利な「黒枝豆結束補助機」や丈夫な鋼製の「竹割機」なども考案されています。
「村の鍛冶屋」に歌われていたように、昔は多くの鍛冶屋さんがありましたが、今では丹波地域唯一の鍛冶屋さんになりました。
これからも素晴らしい技術で農具を作り続け、広く農家の方々にも知っていただき、農都篠山を支え、盛り上げていただきたいと思います。
特製の文鎮をいただきました。TS「たかあき さかい」となっています。
「たんばささやま」とも読めます。
▲地主さん特製の文鎮。「Takaaki Sakai」(Tamba Sasayama)