子どもたちは夏休み真っ只中です。
私が子どものときは朝にラジオ体操に行ったあとは、山での「カブトムシとり」や川や水路での「魚とり」など、篠山の豊かな自然の中でいっぱい遊びました。
しかし、その後、川や水路は人にとって便利に、安全に、管理が楽になるように、コンクリートで固められるようになり、水辺の生きものが住みにくくなって、「魚とり」ができる環境がどんどん減ってしまいました。
そこで、篠山市では川や水路を整備する際に、地域や事業者(環境創造事業者)と連携し、自然を生かし、生きものが暮らしやすい環境整備を進めています。
先日、平成29年度に曽地口地区で整備された「木製水路」のお披露目会を行いました。
この水路は、市の補助金などを利用して「曽地地区農地・水・環境保全向上活動の会」が整備されたもので、地域と環境創造事業者と市が利便性や自然環境、地域の子どもたちの遊び場所など、様々なことを考慮してモデル的な水路として整備されました。
おそらくこのような形の「木製水路」は全国初だと思います。
木製水路の特徴は次のとおりです。
1.生きものへの影響がなく、耐用年数が長い特殊な防腐処理を施した兵庫県産の木材を使用しています。
2.生きものの隠れる場所になる水辺の植物が生育するよう、木材に隙間を設けています。
3.側面の一部を自然な状態で残しています。
4.水路の底は場所によっていろいろなパターンを設けて水流を変化させ、多種多様な生きものが暮らしやすい環境にしています。
お披露目会には、地域住民や市内の農村環境向上活動組織など多くの方に参加していただきました。
また、大人だけではなく、地元城東児童クラブの子どもたちにも参加してもらいました。
水路整備の事業説明やセレモニーなどの後は、子どもたちが一斉に水路に入り「魚とり」大会が始まりました。
中には、「10匹捕った!」とうれしそうに見せてくれる子もいました。
やっぱり子どもたちは「魚とり」が大好きです。
私たち大人は子どもたちが「魚とり」ができる環境を残していかなければいけません。
篠山市では今後、この木製水路をモデルとして、地域や環境創造事業者と協力して、豊かな自然環境が魅力である篠山らしい、生きものにやさしい水路整備を進めていきます。