ユネスコ創造都市ネットワークの総会がイタリアのファブリアーノで開催され、参加してきました。
丹波篠山市が参加を認められてから、これで4回目となります。参加当時は116市でしたが、今では約180に増えました。
関空からアムステルダムまで12時間、そこからローマまで2時間30分、さらにローマから今度は列車で3時間のイタリアの中東部に位置する人口約4万人の小さなまちでした。
開会式には、イタリアのセルジョ大統領も出席されました。
今回のテーマは「理想都市」。理想的な都市に向かって「文化の教育への影響」「経済成長と起業」「文化力の形成」「環境の持続性」などが議論されました。
約60の市長がミーティングを行いました。
今回は他の国内の創造都市からは市長の参加がなかったために、私はまさに日本代表でした。
理想都市と聞いて思い浮かべたのが、『森林理想郷を求めて』(平野秀樹著、中公新書)という書物でした。
巨大都市の機能が限界に達し、新たな生活環境の模索が進んでいる。森に囲まれた美しく小さなまちこそ現代の理想郷ではないか、というものです。
中国の桃源郷、北欧の小社会、イギリスの田園都市などが描かれていました。
今回の理想都市は2015年に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(「SDGs」)が基本となっており、各市における環境保全や文化の取組の発表がありました。
私からは、日本においては大都市への人口集中による環境・文化・コミュニティの喪失と、一方、地方都市は過疎化により持続できるかという課題がある。地方都市の環境・文化・コミュニティを再生させ、これを魅力としていくことが理想都市、そして持続可能な社会につながる…といったことを残念ながら日本語で話しました。
翌日の地方新聞では、私たち丹波篠山市一行の写真(創造都市担当の小山君、秘書兼通訳の小林さん、そして私)を載せて頂きました。
(以下、次号)
▲写真中央の白髪の人がセルジョ大統領
▲一番下の真ん中の写真