1月15日付の日本経済新聞の全国版、「時流地流」の欄で、篠山市のことが取り上げられました。
次の内容です。
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―市名変更へ1億円の寄付―
来年4月末の天皇陛下の退位が決まって以降、「平成時代」という言葉をしばしば目にする。今年が平成30年と区切りがいい点もあるのだろう。
30年間を振り返り、自治体に絡む平成時代最大の出来事をひとつ挙げるとすれば、市町村数が4割強減った「平成の大合併」だと思う。全国350カ所以上で住民投票が実施され、地方は揺れ続けた。
その大合併の第1号だったのが1999年4月に4町が合併して誕生した兵庫県篠山市だ。丹波栗やぼたん鍋などで有名で、江戸時代の民謡が起源の「デカンショ節」のふるさとでもある。合併時には箱物建設に走り、「合併バブルの街」と呼ばれたこともある。
篠山市は現在、「丹波篠山市」に市名を変えるかどうかで話題になっている。
篠山の特産品は名前に丹波がつく場合が多いので「隣接する丹波市産と誤解されている」と商工会などが市名変更を求めたことがきっかけだそうだ。丹波市も6町が合併して2004年に誕生した新しい市である。
丹波は主に兵庫から京都にまたがる古くからある地名だから、篠山市と丹波市のどちらが本家かという問題ではない。しかし、今では地域名そのものがブランドだから篠山の業者にとっては重要なのだろう。一方で市名を変えれば住居表示の変更からシステム改修までかなりの経費がかかる。
ブランド力の向上か、税金の無駄遣いかという論争が続くなかで、丹波篠山市への変更を求める人から昨年末、匿名で市に1億円の寄付があったという。これを使えば市が経費として見込む約6500万円を賄えるから論争に決着が着くのかもしれない。合併時などを除けば市のままで名称を変えるのは極めてまれだ。
官民を問わず、名前には様々な思いが込められる。平成の大合併で「美しいふるさとを創ろう」と各地で美郷町や美里町が生まれたのが一例だ。大合併第1号の篠山市の動向は、他の自治体にも影響を及ぼすかもしれない。その後、自分が寄付したと名乗る人が市内外で30人を超すという話は笑えるが。
【日本経済新聞(1月15日)より引用】
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